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街路樹の下が茶色く変色していたら要注意!!それは大量発生した毛虫の糞です。気づかずに歩いていると糸でぶら下がっている毛虫が目の前にいて「ギャーー!!!」なんてことも。毛虫が苦手な人って多いですが、それも大量発生となるとかなり気持ち悪いですよね。今回は大量発生する毛虫の種類と刺されたときの対処法についてご紹介します。
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チャドクガ

チャドクガの特徴
小さい頃は葉の裏の一カ所に固まって並んで葉を食べている事が多いです。一見、葉の一部に何か違和感があって近づいて見てみると大量の毛虫だった。なんてこともよくあります。大きくなるとそれぞれが単独で木に広がって葉を食べるので駆除が困難になります。
チャドクガの幼虫は毒針毛を持っていて幼虫からはとても抜けやすく、風に乗って飛ぶこともあります。しかも刺さると抜けにくい構造になっています。知らぬ間にチャドクガの幼虫が生息する樹木の下を通っただけで皮膚が腫れる事もありますので注意しましょう。
もし、触れてしまったら2〜3時間して赤く腫れ上がり痒くなります。
チャドクガの幼虫は殺虫剤がよく効くのですが、殺虫剤をかけると糸を吐きながら一斉に落ちていきます。風に乗ってしまう事や落ちて死んでも毒針毛は残っていますので気をつけてください。
発生する樹木
- ツバキ
- サザンカ
- チャ
- クヌギ
- サクラ
- ウメ
- バラ
- イタドリ など100種類以上
発生時期
4月〜6月と8月〜9月の年2回、大量発生しますが、気候によっては発生時期が1ヶ月前後ずれる事もあります。また、年によっては11月にもう1回の年3回の場合もあります。
アメリカシロヒトリ

アメリカシロヒトリの特徴
チャドクガの様な毒針毛は持っていないので人間への直接的な被害はありません。アメリカと名前についている通り、外来種で戦後に物資に紛れて渡来してきました。1970〜1980年代に全国で大量発生が多かったですが、近年では大発生の頻度も少なくなっています。
1匹で1000個ほどの卵を産み、1週間で孵化するので繁殖能力が非常に高い蛾の一種です。
森林では異常発生しないのに街路樹では木を丸裸にするのは街中には天敵が少ない事が挙げられます。シジュウカラ・スズメバチ・カマキリ・クモなどがアメリカシロヒトリの天敵ですが、これらの生物も人間が殺虫剤などで駆除をしてしまっているのです。
卵は葉の裏に産み付けられ、孵化してからしばらくは集団で巣網に固まっているので、その時に枝ごと切り落とせば駆除は比較的楽に済みます。発見が遅れた場合は毛虫は木全体に広がり、葉も食べ尽くされてしまいます。個人では手がつけられません。造園業者さんなどに相談しましょう。
発生する樹木
- サクラ
- ヤナギ
- カキ
- コナラ
- リンゴ
- クルミ
- ウメ
- アンズ などの落葉樹が好み
発生時期
卵の状態で冬を越し、6月〜7月中旬と8月〜9月中旬の年2回発生します。大量発生が多いのは後半の8月〜9月です。順調に成長した幼虫は樹幹の割れ目や樹皮の隙間、浅い土中でさなぎになり越冬し、5月下旬頃に1回目の成虫が羽化します。
マイマイガ

マイマイガの特徴
頭の部分に目の様な黒い模様があり、毛虫のイラストのモチーフにもされる代表的な毛虫です。「ブランコ毛虫」とも呼ばれます。「ドクガ科」に分類されていますが幼虫に生えている毛には毒はありません。しかし毛は鋭く、指などに突き刺さるとかなり痛いです。人によってはアレルギー反応が出て2〜3日ヒリヒリする事もあります。
体長が1cm未満の幼虫ならスミチオン乳剤やオルトラン水和剤などの殺虫剤で駆除できます。1cm以上の大きな幼虫は殺虫剤が効きにくいので火バサミや箸で捕まえて駆除します。
発生する樹木
- サクラ
- リンゴ
- ナシ
- コナラ
- ケヤキ
- モモ
- クヌギ
- ハンノキ
- ヤナギ など
発生時期
幼虫の発生時期は4月~7月頃です。7月下旬から8月上旬に成虫になり、成虫になると何も食べなくなります。生存期間はセミと同じ位で1週間から10日間で短命です。
クスサン

クスサンの特徴
クスノキによくつくことからクスサンと命名されましたが、他の広葉樹にもつきます。毛虫の中でもかなりの大型で最大8cmほどに成長します。
ヤママユガ科でクスサンの幼虫は昔は子供達の釣り糸(テグス)として重宝されていました。腹の中から絹糸腺を取り出し、酢に浸して指でしごくといっぱい出てきます。
繭はかなり頑丈で糸としては使えません。丈夫な糸で作った網目模様の繭は飴色でとても硬く、「透かし俵」とも呼ばれます。幼虫が大きくなるとふわふわした毛で覆われますが、毒針毛はありません。
木が丸裸になるほどの大量発生することも少なくなっています。
発生する樹木
- クスノキ
- クリ
- クヌギ
- コナラ
- サクラ
- ウメ
- イチョウ など
発生時期
年1回で幼虫の発生時期は4月~7月頃です。7月初旬に繭を作り、蛹になります。9〜10月に成虫となり、成虫は何も食べません。2週間前後の寿命でその間に卵を産み、卵のまま冬を越えます。
モンクロシャチホコ

モンクロシャチホコの特徴
頭が黒く、ツンツンと刺激を与えると、シャチホコの様に反り返る事からモンクロシャチホコと命名されました。人間への直接的な被害はありませんが、群生するのでかなりグロテスクです。
そして毛虫の中ではちょっと変わり者のモンクロシャチホコ。というのも、お盆を過ぎ、硬くなった葉を好んで食べるからです。8〜9月にサクラによくつきます。別名サクラケムシとも呼ばれます。
体の色が茶色で高所にいる事が多く、気づいたときには木が丸裸になってしまっていることもよくあります。これが原因でサクラの狂い咲きが起こる事もあります。
たいていは小さいコーヒー豆の様な糞が大量に落ち、路面が汚れて被害が分かります。が、高所に生息している事が多いので主に薬剤散布による駆除となります。
このモンクロシャチホコは桜餅の香りは放ちます。この香りの正体はクマリンという成分で、捕食者の鳥類が苦手な匂いで自らを守っているのです。ちなみにモンクロシャチホコの幼虫は食べるとカニっぽい味がして美味です。
発生する樹木
- サクラ
- ナシ
- ズミ
- ビワ
- ウメ
- リンゴ
- クヌギ など
発生時期
年1回で幼虫の発生時期は7月~8月初旬で、集団で葉を食べ漁ります。孵化幼虫は赤褐色で群生、成長すると紫黒色になり、白い毛が生えてきます。8〜9月に地上に降り、浅い土の中や落ち葉の下で蛹になって冬を越します。6〜7月に成虫になり、葉の裏側に卵塊を生みます。
まとめ
大量発生する毛虫は・・・
- チャドクガ(毒針毛アリ)
- アメリカシロヒトリ
- マイマイガ
- クスサン
- モンクロシャチホコ
あなたが見た大量発生の毛虫は見つかりましたでしょうか?毛虫は毒を持つものもいますし、アレルギーで皮膚がかゆくなったりしますので基本的には触らない方が良いです。
自宅の庭などで毛虫が発生した場合は殺虫剤で充分駆除できますが、植物が弱りやすいです。熱湯をかけるだけでも駆除できますのでサッと退治できます。街路樹などは役所に連絡して対処してもらいましょう。
もし、刺された場合は・・・
- ガムテープなどで毒針を抜き取る
- 水で洗い流す・患部を冷やす
- 毛虫のマークのある市販薬を塗る(ヒスタミンやステロイド)
それでも症状がひかない場合は皮膚科で診てもらいましょう。
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